介護ベッドの電動リクライニング機能の正しい使い方と注意点

介護士が背もたれを起こした介護ベッドで利用者をケアしているイラスト 介護ベッド

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介護ベッドの電動リクライニング機能は便利な一方、使い方を誤ると身体への負担や事故につながることがあります。この記事では、背上げ・膝上げ機能の正しい使い方と、注意しておきたいポイントを解説します。

介護ベッド選びで迷っている方へ:介護ベッドの選び方|サイズ・機能・レンタルの基本

リモコンで背上げした介護ベッドに座る高齢者を介護職が手を添えて支えているイラスト。電動リクライニング機能の正しい使い方のイメージ

背上げ機能を使う際の基本

背上げ機能を使う際に注意したいのが「ずり落ち」です。背中だけを起こすと、身体が徐々に足側にずり落ちていき、姿勢が崩れて苦しくなったり、皮膚がこすれて床ずれの原因になったりすることがあります。ずり落ちを防ぐには、背上げの前に膝上げ機能を先に使い、膝を軽く曲げた状態を作ってから背上げを行うのが基本です。この順番を守るだけでも、ずり落ちをかなり軽減できます。

背抜きも忘れずに行う

背上げを行うと、背中とマットレスの間にずれの力(せん断力)がかかり、皮膚や皮下組織に負担がかかります。これを軽減するために行うのが「背抜き」です。背上げ後、身体を一度マットレスから離すようにして圧迫やずれを解放する動作で、床ずれ予防に効果的とされています。自力で行うのが難しい場合は、介助者が背中に手を入れて軽く引き上げるように行います。

リモコン操作時の注意点

  • 操作中は目を離さない:特に認知機能に低下がある方の場合、動作中に身体を動かして挟み込みなどの事故につながる可能性があります。
  • 可動範囲に物や身体を挟み込まない:背上げ・高さ調節の可動部分に、布団やチューブ類、身体の一部が挟まっていないか確認してから操作します。
  • キャスターのロックを確認する:操作中にベッドが動いてしまうと、姿勢が不安定になり転落のリスクが高まります。
  • リモコンの誤操作防止機能を活用する:認知症のある方などが誤って操作してしまう場合は、ロック機能付きのリモコンやカバーの利用を検討しましょう。

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高さ調節機能の活用

高さ調節機能は、介助のしやすさだけでなく、利用者が自分でベッドから立ち上がる際の安全性にも関わります。立ち上がりの際は、足底がしっかり床につく高さに調整することで、ふらつきによる転倒リスクを減らせます。逆に介助を行う際は、介助者の腰の高さに合わせて調整することで、腰痛のリスクを軽減できます。同じベッドでも、場面によって高さを調整し直す習慣をつけるとよいでしょう。

リハビリの現場でベッド操作を指導してきた立場から感じること

筆者は理学療法士として、ご家族への介護ベッド操作の指導に携わってきました。その経験から感じるのは、機能を「知っている」ことと「適切に使いこなせている」ことの間には、意外と大きな差があるということです。特に背上げ・膝上げの順番やずり落ち対策は、口頭で説明を受けただけでは実践で忘れてしまいがちです。搬入時にスタッフから説明を受けた後、実際に自分の手で数回操作してみて、身体で覚えることをおすすめします。

よくある質問

Q. 背上げの角度はどのくらいが適切ですか?

A. 目的によって異なります。食事をとる場合は90度近くまで、休憩程度であれば30度前後など、場面に応じて調整するのが基本です。医師や看護師から角度の指示がある場合は、それに従ってください。

Q. 停電時にリクライニング機能は使えますか?

A. 電動タイプは停電時に操作できなくなります。多くの機種には手動で背上げを解除するハンドルが備わっているため、事前に位置と使い方を確認しておくと安心です。

Q. リモコンが壊れた場合はどうすればよいですか?

A. レンタル品であれば、契約している福祉用具貸与事業者に連絡すれば対応してもらえます。緊急連絡先を分かりやすい場所に控えておくと安心です。

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福祉用具の選び方や安全な使い方については、公益財団法人テクノエイド協会などの公的機関の情報もあわせてご確認ください(外部サイトが開きます)。

まとめ:介護ベッドのリクライニングの使い方

介護ベッドの電動リクライニング機能は、正しい手順(膝上げ→背上げ、背抜き)を守ることで、身体への負担や事故のリスクを減らせます。操作方法に不安がある場合は、福祉用具専門相談員に遠慮なく確認しましょう。機種選びの基本についてはこちらの記事もあわせてご参照ください。

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この記事を書いた人

脇本竜次
総合病院にて理学療法士として五年間勤務したのち、整体院を開業し七年間経営。さらに介護の現場でも三年の実務経験を持つ。保有資格は理学療法士。医療・リハビリと介護、両方の現場での経験をもとに、身体の状態に合った福祉用具選びや介護業界への転職に関する情報を発信している。運営者情報はこちら

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